スイスライフ

やっぱり箸が好きー食べる道具から考える洋食と和食

サリュー スイスリーベのフラウビショフです。本日は食事の道具、お箸とフォーク&ナイフという切り口で、当たり前と言えば、当たり前な食事における洋と和について日頃思うところを語ります。

食事に、箸を使うか、フォーク&ナイフを使うか、によって調理や完成した料理に様々な違いが存在しています。

先ず、顕著に違いが表れる肉の出され方。

洋食の肉料理と言うと、大きな塊で煮たり、焼いたりした肉を切り分けたり、あるいはステーキやソーセージのように皿の上に肉が塊として登場します。そんな風に出されたら、これはナイフ&フォークで取り組むしかありません。

なりよりも肉が主役です。野菜やポテト料理・パスタ・お米は、脇役として登場します。

日本では、鉄板焼き屋さんのステーキは程良い大きさにカットされ、トンカツも西洋のものを日本に取り入れた料理ではありますが、親切に切ったかたちで配膳されます。どちらの場合もお箸で頂きますからね。

サイコロステーキに対して、洋のお方が「なぜ、こんなに小さく切ってしまうんだ。」と残念そうに言ったのをを聞いたこともあります。それには小さくすると、肉が瞬く間に冷めてしまうとの心配があるようです。

お皿の上の肉を先に切り刻んでしまうのはNGなマナーで、「食べやすいように、子供にあげるのわけでもないのだから。」と思うようです。

個人主義なので個人の好みの大きさにカットし、口に運びたいのかもしれません。

箸で頂くことを前提とした料理は、それを考慮して調理されています。箸での取り易さを考え、一切れの大きさや長さなどの形への配慮。煮方や蒸し方なども、箸で切れる、箸が通るよう作られています。

調理という点では、洋は、オーブンを使用して肉は丸ごとや塊で、野菜もごろっと大きめに料理することが多いです。

和食では、調理前にその料理に合った大きさや形に肉や野菜を切っていることがほとんど。箸でとり、そのまま口に運べる状態です。純和風な調理では、オーブンは使用しませんね。

家へ友人を呼んで食事をする時、日本人の奥さんなら日本料理が出てくるのだろうと期待されます。

でもこの期待に応えるのはなかなか難しいんです。難関の一つは、お客様が箸がそれなりに使えるかとどうか。

一応フォークとナイフもセットしますが、酢の物や白和えをフォークで食べて美味しいのかな、と思ってしまいます。

普通のフォークだと小鉢には大きすぎです。和の、例えば、木や漆風のフォークもしくはデザート用の小さいフォークを用意すると良いのでしょう。

そうすると、いろいろなカトラリーで、かなりテーブルがスッキリしない感じになります。

天ぷらもフォーク&ナイフでは、なんだか興ざめです。せっかくの衣が剥げてしまったりします。

日本人がフォーク&ナイフを使いこなせないことを恥ずかしく思うのと同じ様に、スイス人もお箸で挟んだものをお皿に落としてしまうことをとても恥ずかしがって、こちらも申し訳ない気持ちになってしまいます。

思い過ごしでしょうか。なぜだか、洋には炒め物という料理がほとんどないように思えます。

フラウビショフは、お肉を食べるなら、野菜との炒め物や煮物で食べたいと思います。一緒に調理されて、野菜とお肉の味が絡んで、その美味しさを引き出しあっているハーモニーをお箸で食べて、味わいたい。

これがフォーク&ナイフだと、味わえないというか、当たり前ですがまとめにくくて食べにくい。それに気を取られて、味わうことに集中できなくなってしまうのかもしれません。

この和の料理にフォーク&ナイフが合わないのは、箸のようにまとめて挟む機能がないからなのでしょう。和の料理は、すでに細かく切ってあり、箸で一口分にまとめて口へ運ぶことが想定なのです。だから箸なのだなと当たり前のことを妙に納得するフラウビショフ。

とは言っても、へアビショフはお箸を全く問題なく使いますし、私たちの世代以降の人たちは、アジアンフードもよく食べるし、アジアを旅行もしているのでお箸は普通に使えるスイス人が多数派です。

ナイフ&フォーク派と箸派では、テーブルでの所作も違ってきます。ナイフ&フォーク派は、皿は持ち上げません。箸派は、飯茶碗と汁椀は手にとることが許されています。

洋では、茶碗を手にとる習慣がなく、テーブルに置いたままなので、ご飯を落としてしまう。スープを直接 器から飲むということもないため、味噌汁をレンゲで頂くとなってしまうのですね。

スイス人の義父と義母が中国を旅行した時、レストランで中国の方が食事をしていたそうです。箸で器用に(義両親からするとそうだったんです。)食事をする姿が、あまりにも優雅で美しく、飽きずにずっーと見惚れてしまったと言っていました。

これは和から洋を見ても言えることで、007シリーズの『カジノロワイヤル』の一場面、ポーカーで勝利した後に食事をとるダニエル・クレイグの所作が美しいすぎる、と思ったのはフラウビショフだけではないはずです。

空腹に読まれました。またはお腹が空いてきましたか。

今日もフラウビショフのブログにお付き合いくださり、どうもありがとうございます。

 

 

 

ABOUT ME
frau Bischoff
スイス人と結婚してfrau Bischoffにはなったものの、ドイツ語習得の道は長そうだし、スイスのことも日本のことも何故こんなに知らないの?と思う日々。育犬も落ち着き、発信することで学んでいけたらというのは甘いかな?ヘアビショフと愛犬のマックスとTeam Bischoffです。

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