つれあいと本気で付き合いたいと思うまで、ドイツ語に興味をもったことはありませんでした。
高校生の頃は、マガジンハウスの「オリーブ」というティーン向けのファッション雑誌の影響でフランス語に憧れていました。
ラジオ講座で、ちょっとかじってみました。第二外国語も、フランス語を選択しました。文法がぐぐっと難しくなった段階で、もう無理ってなりました。学んだことは、すっかり忘れています。
いまでも、フランス語は、耳にとても心地よいと思うし、できれば勉強したいけど、まずドイツ語ができるようになることが先で、その余裕はありません。
ドイツ語に対しては、男性っぽくて、まさにドイツ製品のごとく質実剛健な硬い印象を持っていました。英語やフランス語の滑らかなメロディーのような音ではなく、どこかガギグゲゴザジズゼゾダジズデドな感じ。語尾もンの音で終わる場合が多いからでしょうか。
まだ、私がドイツ語学習に取り組む以前の、ある時、それはなにかのコマーシャルでした。テレビかなラジオだったかは、記憶がさだかではありません。
いろいろな言葉の「愛してる」という一文を次々にたたみかけるものでした。素敵な声がささやきます、I love you(アイ ラブ ユー). Ti amo(ティ アモ). Je t’aime(ジュ テーム).もちろん日本語で愛してるも。
その中にドイツ語のIch liebe dich(イッヒ リーベ デッヒ)もつぶやかれていました。
この「愛している」という一文はどの言語でも美しいことばたちですが、私のNo.1は、断然ドイツ語の「愛してる」Ich liebe dichでした。響き、雰囲気が胸がキューとなるほど美しいと思ったのです。
私の意味のIch とあなたの意味のdichのichの同じ音が最初と最後にきて均衡がとれているから耳に心地よいのでしょうか。
勉強した今は、ドイツ語の魅力がだんだんわかってきた気がします。そう思うと、ドイツ語は非常に難解な文法で私を突き放すのでした。