こんにちは。スイスリーベのフラウビショフです。
指を折って数えてみて、自分でびっくりしたのですが、スイスに住んで13年目に入っていたフラウビショフ。東京に住んでいても、東京タワーやスカイツリーに行きそびれたりしてしまうように、ユネスコ文化遺産に指定されているザンクトガレンの修道院図書館を未だに見学したことがありませんでした。
計画と実行が苦手なフラウビショフなのですが、ふと、このまま ただ日々を過ごして年をとってしまうことになってしまうという焦りの気持ちが急に起きたことがありました。
引っ越し後6年目にして、初めて地元の室内プールに行ってみました。
勢いにのって、次なる計画はザンクトガレンの修道院図書館だ、となったとき、一度はヘアビショフの理由で流れ、いよいよと決行かというときにコロナ過となり、昨日ようやく訪れることができました。
愛犬マックスを『犬の群れ』に預けて、その足でヘアビショフと地元の駅で合流し、ザンクトガレンへ出発!11時からのガイドツアーに合わせて現地に着くようにしたのですが、ザンクトガレン駅から図書館までの道程で、ちょっともたつき、ぎりぎりにツアーに参加しました。
ガイドさんは、修道院の建立の歴史から、図書館の建築様式やその技術、どのように書物が配列されているのか、当時の貸出システムなどを丁寧に説明してくれました。フラウビショフのドイツ語力では、全ては理解できませんでしたが、いくつかの情報はぼんやりとわかったかな。
図書館というより、図書室という感じで、空間自体はそれほど大きくありません。ですがその空間は、天井および天井画・柱・家具・床とバロック様式が施され、書棚には書物がびっしりと納められ、吹き抜けの2階部分の壁一面も書棚と窓からなっています。
何の分野の書籍かを示す華麗な縁取り付きのプレートの中にアルファベットの文字が書棚の上方、天井近くにあり、その横に30~40㎝メートルくらいでしょうか、エンジェルたちの像があり、その手にしているもの、服装などで書籍の分野を示しているという凝りようです。
書物は、貴重なものなので手にとることはできませんが、ガラスのケース内に本が開いた形で展示されています。
聖書を書き写すという作業で、製作された写本。金箔が施されたり、鮮やかな色彩の挿絵や文様が描かれ、それを製作した人物たちは、どんな境地で写本したのか想像すると気が遠くなります。
図書室に入ってすぐ左手には、16世紀に製作された直径120㎝もの地球・天体儀のレプリカも展示されています。
右手奥には、Schepenese(シェぺェネーゼと私の耳には聞こえます。)という名の女性のミイラがガラスの箱の中に横たわっています。外側の棺と内側の棺がその後ろにそびえるようにたっていて、彼女をガードしているかのようです。
突然そこにあり、そのポンと置かれた感じに、不思議に親しみを覚えてしまうのでした。炭のように黒くなった皮膚は、カラカラではなく、もし触れたら弾力があるのではないかと思えるようなみずみずしさがありました、少なくともお顔は。
こんな限られた空間に、紀元前600年代のミイラ、精魂込めて書かれた中世の写本に埋め尽くされた書棚、逸話をはらんだ地球儀がバロック調の室内空間に詰まっいて、なにか壮大な歴史や時間の重みに圧倒されてしまい、見学終了時には息苦しいような感覚になりました。
このコンパクトな、小さいながら凝縮されてるところに、スイスっぽいな、と思ってしまうのでした。
見学を終えて、外へでると気分は開放されるとともに、チャーミングな街並みが目に飛び込んできます。大聖堂の近くのショコラティエで休憩し、クロワッサンサンドを食べました。
スイスでは、ギプフェリと呼ぶのですが、ずっしり濃厚で、その美味しさに驚いてしまいました。今まで食べてきたギプフェリと違う!歴史に圧倒されたフラウビショフを現実の世界に引き戻してくれる気付け薬になってくれたのでした。
その写真を、撮り忘れましたが、また訪れたいショコラティエです。おいしい焼ソーセージ屋さんも見かけたし、またこの街角のどこかに腰かけて、時間を過ごしたいなと思いました。ザンクトガレン とても気に入りました!
図書館のリンクは以下の通りです。
https://www.stiftsbezirk.ch/en/stiftsbibliothek