グリュエッツィ!スイスリーベのフラウビショフです。
今回はマックスの散歩の途中で聞いたちょっと切ないワンコ話です。かなりかもしれません。
昨日の午後はよいお天気でした。近所の知人とそのお嬢さんと一緒に春の日差しの中、たわいもない話をしながら、私たちは自然保護地域と農地が入り混じった緑の中を歩いていました。
保護地区を過ぎたので、マックスをリードから解放してあげました。
数人で歩くとき、マックスはそのグループの前へ行ったり、後ろへ行ったり、一緒になったりしながらついてきます。
まるで私たちが羊の群れかなにかで、群れの秩序を保つお仕事でもしているつもりになっているかのようです。
おじゃべりに気をとられ、目を離したすきにリードをつけて散歩をしているマックスと同じくらいの小型犬のところに走っていってしまいました。
相手の犬がリードを付けている時は、こちらもリードに付けてすれ違うのがマナーです。
「ごめんなさい。」
と言いながら、相手の犬の隣にいるマックスに駆け寄り、慌ててリードにつなぎました。
その飼い主さんは、私がマックスに追いつく寸前に、彼女の犬をちょっとかばうようなしぐさをしました。マックスと彼女の犬の間に立って犬たちの距離をとろうとするかのような。
女性は愛想がない感じで、会話が始まるでもなく、お互い別の方向へ進んで行きました。
私たちは、なんだか変な飼い主さんだね。犬もなんだか下あごが前にでていて、ひどい噛み合わせしてたね、などと印象を語りながら歩きました。少しすると道の脇に車が止めてあり、その女性と犬にまた会いました。
女性は、犬を慣れた感じで車に納めると、急に語り出しました。
この犬は、4年前に保護施設から引き取った。元の飼い主から虐待を受けていて、引取ってからほんとうに大変だった。トラウマを抱えていて、ひどく怯えて心を塞いでいて、この4年間毎日毎日愛情を注ぎ続けて、忍耐強くワンコを癒し続け、やっと心を開いてくれ始めた。それでもトラウマのせいか、自傷行為的なことをしてしまう。
粘膜が炎症してしまう病気をもっており、病院にかかり、たくさん治療費もかかる。
大型犬を飼っているひどい人に会ったこともある。大型犬が私の犬の胴をパカリと咥えて、宙に投げ飛ばしたこともあった。ひどい飼い主に怒りを感じる。
そう女性は語り終わると、車に載って去っていきました。
私はそんな事情があった犬だったんだ。噛み合わせが変とか言った自分を反省しました。
夕方、この話をヘアビショフにすると、
「そういう犬は、安楽死させたほうがいい。その飼い主もおかしい。」
と、きっぱり。
一瞬、またか! この超合理的、冷血男!とも思いましたが、彼の考え方は、酷い体験をしてトラウマを引きずり、さらにやっかいな病気とも戦わなければならない犬を、生かし続けることは逆に犬を苦しみ続けさせることになり、それこそ可哀そうだろう、飼い主のエゴだ、という考えなのです。
フラウビショフは単純に、そのワンコが新しい飼い主からの愛情を得て、人生って、犬生って悪いことばかりではないんだ、今は愛されてる、大事にされていると思っていると信じたいと。
正解はわかりません。
はっきりしていることは、動物は愛するものであり、虐待するものではない、ということ。
私のブログを読んでくださる方は、まずそんな酷いことはしないので、書くまでもないのですが、言霊として飛ばしておきます。笑
今日もありがとうございます。