皆さま ごきげんよう フラウビショフです。
皆さまは、日々あらたな発見をされてますか。今日は和製の知識の修正をよぎなくされた最近の経験を書いてみたいと思います。
このコロナ危機自粛モードの中、チューリッヒのオペラハウスが、以前公演されたバレエやオペラをストリーミングで観られるようにしてくれました。3月末から6月の始め迄の毎週末一作品づつ視聴が可能でした。
バレエもオペラも詳しくないフラウビショフです。
でも、センスに信頼のある大好きな友人のコロナ危機下のお薦めのお家時間の過ごし方の一つだったので、これは芸術に触れる良い機会かもしれないと、時間があえば見ることにしました。
フラウビショフの最初に観た作品は、バレエとオペラの共演の『ヴェルディのレクイエム』でした。
タイトルから、なんか暗くて、重くて、古臭そうって、とっても失礼な先入観を持ちました。ところが、観たあとには、それがバレエ チューリッヒならではの作品の解釈であり特色なのでしょうが、神聖で、優雅で、モダンという感想になりました。
歌もオーケストラも素晴らしくて、人生において芸術に触れる時間を持つことって大切だなあと改めて思いました。作品に引き込まれて、日常と切り離された時間を、特にコロナ危機を一瞬忘れる時間を過ごさせてもらいました。
オペラハウス、どうもありがとう!
味をしめたフラウビショフは、スリーミングされるプログラムの作品を閲覧していました。『くるみ割り人形』『ロミオとジュリエット』などを除くとタイトルさえ初めて知ったというものばかり。
チェック中に、初めて目にした時はWeather(天気)と間違って読んでしまったタイトルがありました。ドジなフラウビショフは、英語のタイトルなんて、モダンなオペラがあるのね、とその時は興味もわかずに終わりました。
ある時、この週末は何が観れるのかなと、オペラハウスのホームページを開きました。最初Weatherって読んでしまったけど、よくよく見るとaではなくrだでWertherだと気付きました。
作品の紹介のところに、ゲーテの作品とあるではないですか。
その段階でも、まだ私はWertherってドイツ語知らない、ゲーテの作品のタイトルならドイツ語を学んでいるのだから、知っておいたほうが良いなと思い辞書を引いて、驚きました。これがゲーテのあの名著『若きウェルテルの悩み』のだったのです。
日本語に訳された本のタイトルであり、主人公の名前がウェルテルとして自分の中で長く定着していたので、この認識をあらたにしなくてはならないことは軽い衝撃でした。
これがラテン文字を使用する言語なら視覚的に変わらないので、それが母語の方は得ですよね。
聴覚的に、ドイツ語発音だとヴェアーターとかヴェルターという音になります。歌の中のせいか、私の耳にはヴェルテールと聞こえます。
そう、ドイツ語のWは濁点がつくヴなのです。ドイツ車BMWが、ドイツ語式にはベーエムヴェーと発音され、車好きならピンとくるかもしれませんね。
ようこその意味のWillkommenはヴィルコメン、お隣オーストリアの首都ウィーンだって Wienと綴ってヴィーン、 葡萄酒ワインもWeinで、ヴァインって音なんです。
フラウビショフには、ウェルテルの悩みとヴェーアターの悩みは、別の悩みなのではないかとまで思いたくなります。
ウェルテルだと恋に悩む繊細な青年のイメージですが、ヴェアーターだともっと力強く情熱を感じさせられるような気がします。オペラでは、ドイツ語の音のイメージがぴったりな熱い男性が演じていました。
実は、大昔に『若きウェルテルの悩み』を日本語訳で読もうと試み、かなり最初のほうで投げ出した記憶があり、読破していないのでどんな若者なのかとやかく言う資格はフラウビショフにはありません。
ブログにお付き合い頂いて、ありがとうございます。