グリュエッツィ スイスリーベのフラウビショフです。薬膳と聞くと、本場は中国でアジア的な思想と思いがちではありませんか。
先日友人とのやり取りで、これはまさにスイスの薬膳だと思った体験をお話しします。
その友人はバーンアウトになってしまいました。燃え尽き症候群とも言いますね。
バーンアウトの療養として、友人は風光明媚なスイスの村落にあるクリニックで、6週間のプログラムを受けることにしました。
チーム ビショフ、つまりヘアビショフ フラウビショフ 愛犬マックスは、友人との面会をこの秋の旅行に組み込みました。
来てくれるのならと、友人は あるサプリメントの調達をお願いしたいとのこと。友人の滞在している付近の薬局では取り扱いが無かったそうです。
それは膀胱炎対策のサプリメントとのことでした。友人からは、クランベリーをお願いされたのですが、ヘアビショフが購入したものの箱にはプライゼルベーレとあります。
私は、「これ、彼女の欲しいものと違うのでは。」とヘアビショフに言うと、「これだよ。」と自信を持っています。
辞書を引いてみると、ドイツ語でプライゼルベ―レが、クランベリー コケモモであることが判明しました。失礼しました、ヘアビショフ。
私のクランベリーのイメージは、1~1.5㎝くらいの、指先大程の赤い実でした。
大小の品種が存在したんですね。ブドウでも、ベリーAと巨峰の大きさの違いはかなりあります。
直径3-5mm程の小さなクランベリーは野生に生息することが多く、フラウビショフの慣れ親しんだクランベリーは栽培されていることが多いそうです。
後日友人に、クランベリーの効き目はいかがと聞いてみると、彼女は今膀胱炎を患っているわけではないと言います。
春先に免疫機能が弱くなり膀胱炎になりがちなので、寒くなってきたら、予防的な意味でクランベリーのタブレットを摂っているとのこと。この対策を施してから毎春順調だそう。
秋はジビエ料理の季節です。スイスでは鹿・カモシカ・猪などが食されます。付け合わせには、赤キャベツの酢漬け・甘く煮た栗・芽キャベツ・スペッツェリという卵の入ったパスタなどが添えられます。
洋ナシを半分にし、種の部分をくり抜き、白ワイン煮または砂糖煮にしたコンポートもジビエの皿によく登場します。
そのナシのくり抜いた部分に、赤いクランベリーのコンポートソースが入っていることが多いのです。白いナシを器のように見立て、赤い宝石のようなソースが美しい。
なぜ、急にジビエ料理の話になったのでしょう。
ここから本題です。プライゼルベーレは、ジビエに欠かせないアイテム。
丁度ジビエの時期に、寒くなり始める地域では、山でプライゼルベーレが実りの時期を迎えます。たくさん摘んで、たくさんのジャムにします。
友人が言うには、昔は、ジビエとともにプライゼルベーレを食べ、冬の間中プライゼルベーレジャムをもりもり食べたそうです。ポリッジにかけたりすることも。そうして自然に春の身体に備えたのね。抗生物質などよりずっと良い、と。
ビタミンCの宝庫であるクランベリー、自然の恵みをこの時期に賢く頂いていたのですね。
二人で、昔人の叡智って素晴らしいわね、としばし感慨にふけりました。
まあ、結局、現代人の友人はサプリメントで補給しているのですが…。叡智の片鱗を享受しているということでご理解お願いいたします。
フラウビショフの東京の友人に、中医学を大学で勉強され、お教室を開催するほどの方がいらっしゃいます。
素敵なセンスの美味しいブログを書かれていますので、お立ち寄りなってみてはいかがでしょう。
さて、もちろん中国の薬膳の多様性と深淵さとは、また異なるもので、スイスの薬膳と冠するには、またいつものフラウビショフの大袈裟なリアクションでしたでしょうか。
必要であればお薬を飲まなければなりませんが、できれば自然や季節を取り入れ、食べ物から身体のバランスを整え、健やかに過ごたら何よりではありませんか。
2023年の日本の猛暑の疲れを、皆さまがこの秋冬に上手に癒され、快適な春を迎えられることを祈ってます。
友人はクリニックにとても満足しています。すっかり良くなって、帰って来てくれることを心待ちにしているフラウビショフです。
ブログにお越し下さり、どうもありがとうございます。