皆さま、健やかにお過ごしであられますように。スイスリーベのフラウビショフです。
あなたのベスト豆腐料理は、何ですか?
シンプルに暑い夏に冷んやりいただく、冷奴。居酒屋気分で揚げ出し豆腐。花山椒を効かせたピリ辛マーボー豆腐でご飯がすすむくん。冬にほっこり湯豆腐。
お豆腐さんのこの幅拾い活躍ぶりに拍手を送りたいくらいです。
ですが、フラウビショフのスイス生活で、お豆腐が食卓にのぼることはそれほど多くありません。夕食に招いたお客様にワカメと豆腐の味噌汁をお出しするなんて時でしょうか。
一番の理由は、ヘアビショフが豆腐の美味しさを理解できないからです。ヘアビショフが、豆腐が好きではない、というにはちょっと語弊があるような気がするのです。
ヘアビショフの豆腐の味の感想は、味がないとか、段ボールの味がするです。
私の分析によれば、彼の最初の豆腐との出会いがアジア料理のテイクアウトかなにかだったのでしょう。そういう料理に使われている豆腐は、厚揚げのような硬くてぼそぼそ感のある豆腐です。私は、それはそれでソースと味がよく絡んで美味しいなと思います。
10年前、2010年頃は、普通のスーパーマーケットで豆腐を置いていなかったように記憶してます。日本食スーパーマーケットで、森永の長期保存可能なお豆腐を購入していました。そのお豆腐は、牛乳パックのような包装でした。そんなところからもボール紙のイメージが来ているのでしょうか。
また、炊き立て白ご飯の美味しさを日本人なら幸せを感じると思いますが、パン食の人にはピンとこないように、豆腐自体にははっきりした味がないため、なぜこんなぼやけた味のものを日本人は喜ぶのかと理解できないのようなのです。
日本人は、幼いころから様々な調理法で豆腐を食卓で自然に口にしてきていて、その食感やほのかな豆の青くささと甘苦いような繊細さを味わう経験を積んでいるから、豆腐の美味しさがわかるのかもしれません。
そして、豆腐に対してヘアビショフのような感想を持っているスイス人はまだまだたくさんいるとは思いますが、近年ここでの大豆製品と豆腐製品の品質向上・商品展開にフラウビショフはある勢いを感じています。
それは、健康や道徳的側面の理由で大豆製品への注目する人が増えたことや、「ソヤミルク」(豆乳)を筆頭にトレンディなイメージの浸透が功を奏しているのだと思います。
犬の散歩や、ハイキングをしている途中に大豆畑の横を通ることもありました。
冷凍枝豆もチューリッヒへ行くことなく、近所のスーパーマーケットで手に入ります。
そして、スイスの2大大手スーパーマーケットの一つ ミグロスの絹ごし豆腐の完成度の高さに、ついにここまで来たか!という喜びもひとしおです。
冷奴は、そのシンプルな食べ方ゆえ、豆腐自体の美味しさ、質感が重要です。ミグロの絹ごし豆腐は、私の冷奴試験に100点満点で合格です。
大豆は、スイス産の有機栽培のものが使われています。お値段は、250gで4.5フラン(約500円)で日本に比べれば高い!ですが、市場もまだ小さいし、スイスの国産大豆を使用しているのならば仕方ないと思います。
でも、お醤油かけて食べているのは私や在住の日本人のかたくらいなのかもしれません。
パッケージ記載の使い方とお薦めアイデアを読んでみました。“絹ごし豆腐は、スープ・ソース・デップまたはフルーツのクリームや、あらゆるムース系のデザートのヴィーガン料理に最適です。クイックレシピとしては、お皿にそのまま豆腐をポンとのせて、フルーツソースをかけます。目を見張る美味しさですよ。”
発想が日本の感覚と違うところからきているようです。ヴィーガンの人のミルク製品の代替物な感じです。
フラウビショフは、ヨーロッパ人は、モッツァレラチーズ、リコッタチーズ、マスカルポーネチーズの感覚で畑から来た豆腐に接近していけばいいのかな、なんて考えています。
今晩は、白ワインのあてに、エビの赤と枝豆の緑のきれいながんもどきを作ろうとしたら、豆腐の水切りが十分でなかったことと、卵の黄身も使ってしまったので生地が黄色くなってしまいました。成形するのはあきらめ、最終的に仕上がったのは、おから炒めに見える豆腐炒めになってしまいました。白みそ、お醤油、砂糖で味付けしました。
ヘアビショフは、少し食べてみて、絶対社交辞令からのgut(良い)といいました。なぜ日本人が豆腐を食べるのかわからないとつけくわえましたから。
いつか豆腐の美味しさがわかったと言わせますね。
読んでいただいて、ありがとうございます。