Hallo! スイスリーベ フラウビショフです。ハローは、ハローでもドイツ語のハローです。
英語はHelloと綴り、ハとへの間ぐらいの発音をしますよね。ビートルズの『Hello, Goodbye』を口ずさんでみてください。
それに比べて、ドイツ語はカタカナの通りです。
さて、ドリルの表紙の長嶋監督とドイツ語文法の朝練中のことです。
練習問題文のある文の一部の意味がしっくりきません。知っていると思っていた単語ですがこの文章中のここにあるとなぜだか腑におちません。
辞書をひくと、一つの単語に対して、いくつかの意味が存在することがあります。だいだいがそうです。
単語の意味がいくつもありすぎると、ムカつくフラウビショフ。そんなにたくさん覚えられないよ!と容量の小さいフラウビショフはキレてしまいます。
通常辞書を引く時って、何か読んでいて、この単語の意味が分からないとこの先理解できないかもとか、あれ、こう理解したけど、ちょっと不安だわ、確認しておこうなんて時ではありませんか。
読み物の早く先に行きたくて焦った気持ちで、これだな、という訳語がみつかると、付随情報も読まずにまたテキスト戻ることが大半です。
気持ちに余裕のある時は、単語の使用法や用例、備考や参考まで読んで目から鱗を何万枚落としたかわからないくらいですが、それがすなわち知識として定着したというわけではありません。
今回辞書を引いた言葉が、überlegenという単語です。優柔不断なフラウビショフは、白黒はっきりつけずに、「少し考えさせてください。」という状況がおおいので、頻繁に使う早い時期から使用している動詞です。
買い物中に、レストランでまだ決まっていない場合などに必須です。
Ich möchte es mir noch überlegen.
イッヒ メヒテ エス ミア ノッホ ユーバーレーゲン
動詞のüberlegenは、二つの顔をもっているのです。
一つは、よく考える・熟慮するです。
二つ目は、人の肩や膝などに何かを、例えばコートや毛布をかけるという意味があります。
この二つ目の意味の時は、überとlegenに分かれて文章中で使用されることがあります。これを分離動詞と言います。
短い動詞と前置詞が一つの動詞になっているのです。英語では、基本動詞と様々な前置詞の組み合わせで違う意味を表していきますよね。
例えば、lay +down,along,in,on,at,oberと。
ドイツ語に戻りますが、前者の動詞überlegenは抽象的な概念で、後者は具体的な動作です。
ドイツ語では、動詞の語幹にtで形容詞になることがありますが、überlegt これは思慮深いという意味の形容詞になるのは納得できます。これは前者からの形容詞です。
さらにもう一つ、(はるかに)優れている、勝っているという意味を持つ、動詞とまったく同じ綴りのüberlegenという形容詞があったのです。この後者の形容詞は、優勢の に加え、尊大な、人を見下したという意味にもなります。
わからなくもないですが、かなりイメージを広げないとなりませんね。フラウビショフは、この形容詞を知らなかったのです。
調べる前は「動物は、熟慮した敵に不安を感じる」でなんだかおかしいと思いました。「動物は、優勢な敵に不安を感じる」なら納得です。
この形容詞überlegenの反義は、unterlegenで敗北した;弱い;劣っているとあります。位置関係で、優劣関係を表すようになったと考えればよいのでしょうかね。
こんな具合に、ドイツ語は格闘技だ!と言いたくなるフラウビショフです。
Danke schön. Auf Wiedersehen!