数か国語を操るって憧れますよね。自分をふりかえると、母語の日本語でさえもあやういときがあると不安になるフラウビショフです。
ある晩、つれあいのゴッテスキントが夕ご飯を食べに来てくれました。つれあいは、その子のゴッティの関係にあります。
スイスでは、親に何かあったら、その子を責任を持って親代わりに面倒をみる人、ゴッティを決めておくならいがあります。
キントは、ドイツ語で子供の意味。叔父や叔母であったり、両親の親しい友人がゴッティになります。
英語圏では、ゴットファザーがそれにあたるのではないでしょうか。
彼女は、20歳で現在ギムナジウムに通っています。ギムナジウムで教育を受けるということは、今後大学または高等専門学校へ進む方向にあることを意味します。
大きな黒い瞳と美しい黒い髪の彼女は、よく笑い生きる喜びにあふれています。
夕食の席では、若者が何を考えているのか、興味津々なおじさんとおばさんの私たちから質問攻めにあいます。彼女は、楽しそうに早口で話し、利発に爽やかに回答してくれます。
今回の本題に入りますが、語学の習得には、環境の影響は大です。そこにコミュニケーション能力を含めた性格などの個人の資質の影響もあるでしょう。
公用語が4つあるスイスは、数か国語を話せる人が多いです。違う語圏同士の婚姻があるからです。
一番身近な環境とは、家族ではないでしょうか。そして自分が居住する場所、教育の機会なども環境ですね。
さて、彼女の家族ですが、父方はトルコ、母方はイタリアの血をひいています。両方の祖父母の代でスイスに移住し、両親はスイスで育っています。
ドイツ語圏に住んでいるので、両親と妹、学校の友人とはスイスドイツ語で会話します。
母方のイタリア人の祖父母は、近所に住んでいてほとんど毎日顔を合わせるような環境です。ノンノ(おじいちゃん)とノンナ(おばあちゃん)とは、イタリア語で接することになるのは自然のなりゆきです。
小学校にあたるプリマシューレでは、高地ドイツ語を学習します。スイスドイツ語は、ある意味方言で、正式な書き言葉は存在しません。ニュースや新聞、雑誌、書籍、公文書は、高地ドイツ語が使われます。
さらに、州によりますが、英語かフランス語が学習科目に入ってきます。ゴッテスキントは、英語を習いました。
ギムナジウムでは、ドイツ文学を専攻し、フランス語とラテン語もとっていると言います。英語とフランス語のレベルは、上級レベルとのこと。
つまり彼女は、ドイツ語・英語・フランス語が堪能で、イタリア語のコミュニケーションもできるし、ラテン語も学習しているという語学力。
羨ましいのは、日本語に比べれば、文法や語彙の面で近いから感覚的にすっーと入ってくるのだろうなあと想像します。また、ラテン語ができるとその派生した言語での意思疎通がなんとなくできるとどこかで読んだことがあります。
スイス国内で、2.3時間も列車に乗れば、フランス語圏でフランス語を、イタリア語圏でイタリア語を使える機会があります。イギリスで語学留学といっても、東京から大阪ぐらいの距離感覚で気軽にできます。
極東の島国である日本とは、大きな環境の差があります。
ところで、フラウビショフもドイツ語環境整っているではないですか!
難しいとぼやいてないで、目を見開き、耳をそばだてて、口を動かして発信して、ドイツ語の海を泳ぎなさい!ですよね。
いかがでしたか? 楽しく読んでいただけたら幸いです。どうもありがとうございます。